東洋医学からみる、様々な心身の不調

漢方薬

1 冷え性

西洋医学では冷え性は病気と判断されません。

しかし、東洋医学では冷え性はとても重要な体の変化として取り扱われ、冷え性が万病の元になるとまで考えられています。

 

実際の問診の際に行っているアドバイスを以下にご紹介します。

冷え性は、体質のタイプによって大きく3つに分かれるので、タイプ診断と共に、体質に合わせたアドバイス、ご提案をしています。

 

まず、血虚体質と言って、体の中の血液量が少ないタイプは、手足の冷え以外にも、髪やお肌がパサつく、体が疲れやすいなどの症状が見られます。

このようなタイプには、単に温める漢方だけでなく、造血作用のある漢方を併用し、食事もしっかりとることで胃腸も丈夫にすることが大切です。

 

瘀血タイプは、体の中の血液の流れが悪いところがある体質です。

手足には血液が行かない代わりに、体内のいろいろな部分で血液が滞っています。

例えば、生理痛、子宮筋腫、卵巣嚢腫から始まり、肩こりや腰痛などが症状としてあります。外見では、目の下のクマが目立ったり、舌の色が紫がかったり、唇や歯茎の色が悪いというのが特徴として現れます。

このようなタイプの方は、血行を良くする漢方を中心に服用していくと、生理痛がなくなったり、顔色が良くなることを実感されると思います。

 

気滞(期待)タイプは、ストレスによって血行が悪くなっている体質です。

ストレスがかかると交感神経が過剰に亢進し、血管が収縮してしまいます。当然血液の流れが悪くなり、体温が体全体に広がっていきません。

病院の検査では全く異常がないのに、血の巡りが悪いことから、気の巡りが滞ることで、冷え性が起きているのです。

このタイプの方には、ストレスやイライラをやわらげ、自律神経を安定させる漢方をお勧めしています。

最近では、電磁波など外界の気が付かないストレスが要因となり、このタイプの冷え性の方が増えてきているようです。

2 更年期障害

女性の体は7歳単位で変化すると東洋医学では研究されています。

35歳からホルモンバランスは確実に衰え始めます。

若年性更年期という言葉もあるくらい、最近では、若い方でもホルモンのバランスが悪い方が多くみられます。更年期というのは、今まで体内で分泌されていたホルモンのバランスがだんだん低下していくことによる体の変化なのですが、ホルモンが低下し、安定した状態になるまでの対応能力が人それぞれにより、大きな差があるのです。ですから、更年期を全く感じないという方もいれば、うつ状態になるまで重症化する方もいる訳です。

更年期つまり、閉経に向かう時期というのは、女の一生の中で<生理が始まる><妊娠する><出産する>などと同じくらいに、ホルモンバランスの大きな変化の時期ですから、多少なりとも体調が崩れるのは当たり前のことですが、東洋医学では、この時期のことを特に、『血の道』と呼び、大切にするように伝えています。ホルモンバランスの変化を漢方で緩やかにし、体の負担を軽くすることが、未来の体調の良し悪しに大きく関わってくるからです。

35歳を過ぎたら、さっそく更年期対策を少しずつ始めましょう。

閉経するまで、そして、閉経してからの年月を快適に過ごすことにつながります。

もちろん、現在更年期真っ只中の方も、間に合いますので是非、漢方のサポート力をお試しください。

3 PMS

生理が始まる1~2週間ぐらい前からおこる、イライラ、腹痛、眠気、頭痛などのさまざまな不快症状。

これを、PMS(プレ・メンストラル・シンドローム=生理前症候群)といいます。 これは別名・月経前緊張症とも言われています。

月経困難症(→「生理痛(月経痛)」の項で紹介)と違うところは、生理が始まると症状がなくなることです。

 

生理前は体内で、ホルモンバランスが大きく変化します。この変化に体が対応できない時に起こります。

この症状も、漢方がとてもよく効きます。なぜならば、血流の流れを整えると同時に気の巡りも促され、症状を改善するからなのです。

西洋医学では、ピルを使い、生理そのものを止めてホルモン量をコントロールする治療方法がありますが、喫煙者であると血栓ができる可能性もありますし、乳がんや子宮がんなどの既往歴のある方は、利用できません。

ピルによる治療は、服用にあったって注意事項が多いのに反し、漢方による治療は、効き目はゆっくりですが、安全で、本来の体全体のバランス(血の巡り、気の巡り)を取り戻すことを目的としているので、自然派の方に喜ばれています。

4 うつ状態

うつ病になると、気持ちが落ち込んだり、自分を責めてしまったり、考えがまとまらなかったり、マイナス思考になったりしますね。

 

また、身体的には、ご飯が食べられなくなったり、動悸がしたり、眠れなくなったりします。そんな時には、まず、体をしっかり休めて病院の薬を飲んでぐっすり眠ったりすることも大切です。

でも、回復までには時間を要しますので、(このままずっと、病院の薬をずっと飲み続けなくてはいけないのか?)(もっと体に優しい方法はないのかしら?)と漢方を検討に来店される方も多くいらっしゃいます。

私は、急性期には、西洋薬の薬と診断が大きな効果を発揮する場合があることを知っていますが、治療が長期に及んだり、徐々に回復してきたときには、ぜひ漢方も取り入れることをお勧めしております。

漢方にも、不眠、食欲不振、動悸を収める漢方薬もありますし、何より、体の中から元気になっていくことが、気力、体力の底上げに必要だからです。

 

胃腸の働きを良くする漢方を用いると、食欲が出てきて体の中でエネルギー(気力)がわいてきます。それを血行を良くすることで全身に回してあげるのです。身体が本来持っている力を強めるには、自然の力である<漢方力>が大きいと感じています。

 

また、漢方の処方するときには必ず問診、といってしっかりと患者さんとお話する時間を設けています。

身体の症状を丁寧にうかがうと同時に、辛いことや、悩み事についても率直に安心して打ち明けれられる場所として、利用していただいています。

物事の捉え方や、考え方のクセなど、ご自身の状態や気質に気づきがあることで、心身両面からの<巡り>が変化し、症状の回復に対して大変効率的であると考えています。

5 イライラ

生きていく中で自分の思うようにならないことがあるとイライラしますよね。

 

イライラが解消されることなく募ってくると、体調に不調が出てきます。昔から、病は気からと言われていますし…。

イライラしたときに西洋の頓服薬(安定剤)に頼るのも一つの方法ですが、もし、このイライラの原因が、自分の体質によるものだとしたら…。体質を改善することで、ぐっとイライラすることが減ってくるとしたら…。改善したいと思いませんか?

苛立ちや怒りの感情を無理やり無かったことにするのではなく、怒りっぽい自分を変えていきましょう。

漢方では、怒りを感じる臓器を肝臓としています。肝機能が悪い人はイライラしやすいと言われています。肝臓の働きを改善し、自律神経を整えていくことで、かなりのイライラが減ることが分かってきています。

 

また、イライラの結果、生活場面で様々な症状が現れています。

例えば、イライラして眠れないとか、些細なことにイライラしてしまうとか、何だか神経が高ぶって周りに当たり散らしてしまう、イライラしてくると喉が詰まった感じになる等。

イライラ症状に合わせて漢方を処方することができます。

ぜひ、ご自分にあるタイプの漢方をお試しください。

6 むくみ

東洋医学では、気、血、水のバランスが良い状態が健康と言われていますが、むくみの場合、特に水の巡りが悪いことから様々な症状が体調に現れてきます。

 

むくみの症状は「顔がむくむ」、あるいは「手足がむくむ」など、症状の出る場所も、タイミングも人それぞれです。

むくみの原因は、病気や薬などによることもありますが、実は、「生活習慣」をはじめ「体質」によることが多いのです。

食生活で味の濃いものが好きであったり、立ちっぱなし座りっぱなしなど生活スタイルもとても関係があります。またその他にも、生理前などホルモンバランスによってもむくみを感じることがありますし、心臓の働きが弱った時も、むくみの症状が出ます。

 

いずれにしても、日常生活を改めて観察し、水の巡りを悪くしてしまっている食事や生活スタイルを一つずつ改善しながら、体質に合った漢方を飲むことで、むくみに悩まされることも少なくなります。

7 花粉症

現在日本では5人に2人がアレルギー性鼻炎を持っているといわれています。

 

花粉症とは、春に症状が現れますが、スギ花粉以外にも、一年中鼻炎を起こす因子が空気中に漂っているため、症状に悩む人が増えています。

鼻炎のタイプも様々で、「水のようにサラサラな鼻水が出るタイプ」「鼻詰まりが強いタイプ」「熱感がひどくて蓄膿症になってしまうタイプ」「においが分からなくなるぐらい長期にわたり、鼻炎が続くタイプ」などです。

その症状に合わせて漢方薬を選び、根気よく治療していくと必ず症状が改善します。

 

また、東洋医学では、鼻は腸と経絡でつながっていると考えられています。

実際に鼻炎の症状を持つ人は、腸内環境が悪く、下痢や便秘などに悩まされている人が多いのです。

根本的に治療するには、腸内環境を整えながら、漢方を服用することが良いとされています。

 

腸は、鼻だけでなく肌や肺にも関係しているので腸内環境を良くすることでアトピーや喘息まで改善できるのです。

花粉症に悩まされている人はぜひ、このような方法で根本から改善してみましょう。

 

(執筆・漢方の千幸堂動薬局 赤座正樹)

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