はじめに
18世紀に書かれた本の中で「画家の病気」がテーマに挙がっています。
その本には「画家は、手のしびれや歯の黒ずみ、不健康な顔色などいろいろな病気にかかる。画家の顔色がバラ色や、健康なことはまずない。 原因は、彼らが扱う絵の具の原料が鉛などの金属だからである」と書いてあります。
当時の絵の具は、金属を加工して作られていたのです。
鉄鋼や金属工業への従事
・リン・窒素・毒物及び劇物取締法、消防法に該当するもの
・PRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)の対象物質を含有するもの
・有害なシアン、クロム、フェノール類を含有するもの
・環境ホルモン(内分泌撹乱物質)に該当する化学物質を含有するもの
鉄鋼や金属工業への従事者は、上記のような化学物質に暴露する危険性があります。
工場排水については厳しい環境基準が設けられていますが、メッキなど商品加工には必要なため、従事者は暴露の可能性が高いです。
溶融などをする場合も、金属が気化するため、肺の奥まで重金属を吸い込むことになります。
重金属は燃焼によって、より酸化数が高い状態となるため注意が必要です。
印刷工場
職業性胆管がんの原因物質として強い疑いがあるジクロロプロパンという工業用化学物質から生じる発がん性候補物質が、肝臓から胆汁中に排泄されることが分かりました。
それ以外は大丈夫なのでしょうか?
オフセット印刷
オフセット印刷は、アルミ製版表面には感光剤が塗られ、光を当てることで化学反応による印刷をする技法のことです。
ブタンガスなどを使用し乾燥させます。
インクには色素の滑りがよくなる目的でトルエンなどを使用していますし、色素は重金属が使われていますし、感光剤に紫外線を当てたり、ガスを燃焼するので重金属は酸化します。
空調が悪ければ気化した空気を吸い込みます。
グラビア印刷
食品包材のフィルムにグラビア印刷を施す際に使用する油性インキには、インキの粘度を下げるためにトルエン等の有機溶剤が大量に使われています。
トルエンの大量使用には大気汚染の問題があります。
また、工場内の作業環境は現場で働く従業員の負担になっています。
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